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ワンチームで挑む東急バスの未来
東急トランセとの統合により、こころを一つにしてさらなる成長を目指す東急バス。
現場の最前線で活躍する精鋭5人に
東急バスの存在価値と統合による変化、未来の展望を語ってもらいました。
当社の揺るぎない使命と、新たなる挑戦を彼らの言葉から感じ取ってください。

築いてきた信頼を携えて進め、未来へ
地域の暮らしに欠かせないインフラを支える使命感
皆さん、こんにちは。営業所で運行管理を担当している倉橋です。まず、皆さんが日々の担当業務を通じて東急バスが果たしている役割をどのように捉えているか、お聞きしたいと思います。私は東急バスの路線地域に住まいがあるので、家族が「今日はバスに乗ってあそこへ行ったよ。ここへ出かけたよ」という話を家でも日常的に聞きます。東急バスが地域の近距離移動の足として「あって当たり前」「ないと困る」存在であることを暮らしていて感じますから、それが自分たちの仕事の役割であり、存在意義そのものという認識を持っています。
営業所の工場で整備士を務める鈴木です。私も倉橋さんと同じで自分自身が毎日通勤で東急バスを利用しているので、一日のタイムラインをつなぐ乗り物として東急バスがあるという感じです。地域の皆さまの移動を支える生活の一部、まさにインフラだと思います。私はバス車両を整備点検する仕事ですが、不良、不備、不具合のないバスを提供するのは、安全・安心な運行サービスの根幹です。暮らしに欠かせない公共交通を担っている責任をいつも忘れず業務にあたっています。毎日、安全に走るバスを見るのも乗るのも自分のモチベーションの源泉ですね。

運転士の盛田です。今年で10年目になりました。お二人がおっしゃるように私も毎日の乗務で感じるのは、地域にお住まいのお客さまにとってバスが不可欠の存在になっていることです。街の道路を走り続けることに疑いのないもの。必須の移動手段であるがゆえに止めるわけにはいかない。それがバスなのだと心得ています。台風の日も大雪の日も365日、安全に運行する使命があり、とても重い責務です。その信頼に応えるため常に細心の注意を払って運転しています。都心部は交通量も多く道路事情も変わりやすい中で安全・安心を維持する基盤は営業所全体のチームワークだと感じています。

運転士の廣本です。私もキャリアは10年近くになってきましたが、お客さまからお褒めの言葉をいただくと今でも嬉しいですね。「丁寧な運転をありがとう」が一番嬉しい。私は運転士にとって何もないことが一番の価値だと思っているんです。事故を起こさずにお客さまを目的地までお連れすることはもちろんですが、車内では静かで乗り心地が良いと思っていただきたい。何事もない安心と快適を提供するため自分の運転技術の向上に努めています。盛田さんが言われるように都心の道路状況は刻々変わり、天気にも左右されるので運行管理者からの情報や様々なサポートは重要です。

盛田さんと同じ営業所で運行管理を担当している堀越です。チームワークは本当に大切です。工場員が整備点検した車両を、乗務員が日夜ダイヤ通りに安全に運転する。われわれ運行管理者は、そのために天候や道路状況の変化を把握して、早く正確に情報を伝える。無理のないダイヤを組み、乗務員をカバーする仕事もあります。それぞれの職務が連携することで安心してご利用いただけるバスの運行が成り立っています。お祭りなど沿線のイベント開催時には特に、東急バスが地域の暮らしに密着した交通インフラであることを強く感じます。東急電鉄が木の幹だとしたら、バスは張り巡らされた枝のように日常を支えています。

祭りなどイベント開催時の運行調整や迂回誘導などの業務もある
統合により結束力を高め、スケールメリットの発揮へ
さて、われわれ5人も入社時は東急バスの人と東急トランセの人に分かれますね。両社の統合によって、これまで遂行してきた現場の仕事が変わりますか。もしくは変わりはしないまでも何か影響を受けることがあるでしょうか。私自身は業務そのものが大きく変わることはないのかなと思っている一方で、統合により従業員の一体感が醸成されると思いますし、新生東急バスのスタートから新しいチャレンジが生まれればいいなと期待しています。
運転士はもともと東急トランセからの転籍者が多いですし、すでに交流もできているので統合しても現場の雰囲気はそこまで変わらないと思っています。ただ、バスの事業を担ってきた二つの会社が完全に一つにドッキングするというのは、自分のように10年近く会社に育てていただいた者からするとやはり大きな出来事です。倉橋さんが言われるようにみんなの結束がいっそう強まって交流がもっと盛んになればいいなと考えています。
現業(営業所・工場)の体制は、そのまま継続されるものと聞いています。日常的な業務内容自体が変わることはないでしょう。ただ、これは私個人の感覚ですが、今まではともに東急グループのバス事業を担っている仲間なのに東急バス、東急トランセは別会社だったので、何となく近くて遠い存在という印象がありました。自分としては統合によって両社の従業員の距離が一気に縮まって生まれ変わった新生東急バスが誕生する、そんなイメージを持っています。
車両整備の現場においても仕事自体の変化はなさそうです。私は整備士8年目ですが当社の整備業務と教育体制はとても確立されていると思っています。大型車両の整備経験がまったくない状態で入社しても現場で教わりながら経験を積めば確実に一人前になれます。私は入社時、自動車整備の資格は持っていたもののバスの部品は大きくて重量があり、乗用車とは全く違うので最初は大丈夫かなと思いました。先輩の指導、フォローのおかげで着実に技術レベルが上がっていき、早い段階で任された整備をこなせるようになりました。そういった人材教育のノウハウを全社で共有、蓄積できれば、これから入社する人の育成にプラスですし若手社員の安心感も大きいですね。

両社の様々な制度や業務ルールが統一されることで東急トランセの社員は若干働き方が変わるかもしれません。もちろん運転士、整備士、営業所事務員の仕事の本質が変わることはないですし、総合職も基本は同じです。当社が構築してきた安全運行のシステムも今まで通り共有されますが、加えてすべての社員の働く環境、雇用に関わる制度も一つになることで福利厚生の拡充や勤務形態の改善が進めばいいなと期待しています。働きやすい環境づくりが整備されれば人材力が増し、会社がよりパワーアップすると思いますから。
東急トランセから東急バスに転籍する運転士はベテランの方々だったので、新人の運転士が配属されるようになると、それが刺激になって営業所も変わっていくのではないかと思います。統合によって人材募集にも利点がありそうですね。
今まで東急トランセに運行委託していたエリアでも東急バスとして広く人材を募集することで新卒採用、中途採用ともに応募者が増え、より良い人材の確保につながればいいですね。鈴木さんが教育体制の共有による良い影響の話をされましたが、人材の確保、様々なマネジメントの共有化、平準化など統合によってこれまで別々だったやり方が集約されて現場レベルでもやりやすくなることがあるんだなと再認識しました。



働きやすさを継承しながら、ブランド力の強化を
このホームページは当社を志望企業の一つと考えている就職活動中の学生さんが見るそうです。その意味では統合前のやり方からどう変わるかの話以上に、変わらずに引き継いでいくべき東急バスの良いところを知ってもらうのが大切かもしれません。それについて話しましょう。私は風通しが良くて、コミュニケーションを取りやすい営業所の雰囲気を大切にしたいと考えています。
私の営業所も年齢に関わらずみんな仲が良くて、誰とでも話しやすい環境です。休みの日に誘い合って温泉に行ったり、キャンプに行ったりというのはよくあります。統合したらそういう趣味のつながりとか、プライベートなお付き合いの輪がもっと広がるかもしれません。シフト制勤務の場合、同僚が同じ日に休むと業務に穴をあけてしまうので通常なかなか難しいものだと思いますが、当社は案外その辺りの融通が利くといいますか、調整してもらえる方かなと思います。オフタイムの親睦には有給休暇の取りやすさが大事ですね。
私も旅行が好きなので、まとめて有給休暇を取りやすいのは当社の大きな魅力です。長期で海外旅行にも行けますし、東急共済組合の宿は格安サイトで探すより安く泊まれることもあるので重宝しています。私たち運転士が休みを取りやすいのは、堀越さんや倉橋さんのような運行管理担当の方々が上手にシフトを調整してくれているおかげなので、そこは本当に感謝です。
ありがとうございます。私は統合によって東急バスのブランドネームがさらに高まると考えています。入社時に周囲から東急グループに就職するなんてすごいね、とよく言われました。実際勤めてからも福利厚生や諸制度の充実は実感しています。おそらく皆さんもこれまでグループのスケールメリットとブランド力は感じた経験があると思いますが、統合後は東急バスが、「タイヤで人を運ぶ」東急グループで首都圏唯一の存在になるそうです。
東急グループの強みはいつも感じますし、その中で当社の存在感も増してほしいですね。福利厚生は確かに整っています。私は入社して結婚したばかりの頃に、たまプラーザの社宅に入居できたので、とても助かりました。高津にある社宅もそうですが、周辺にあるファミリータイプの賃貸物件の家賃相場から考えると相当安い賃料で住めますから。オフの日には会社の仲間と日帰りツーリングを楽しんでいるので統合によりワンチームになることでバイク仲間を増やせたらいいなと思っています。


会社が、個人が、ともに目指す新しい未来のカタチ
最後に皆さんが考える東急バスの未来の姿と、個人として目指していく目標について話しましょう。今後も少子高齢化が進みますが都心部の人口は大きくは減少せず、高齢者は増加していくでしょう。私は地域の皆さまの足として日常生活を支える東急バスの役割はますます重要になっていくと考えています。今まで通り安全・安心な移動を提供するのはもちろんですが、バスの利用をより快適で便利にするサービス力の向上がカギになってきますね。私、個人的には運行管理者として独り立ちして、先輩方に追いつくことが目標です。
当社はこれまでも業界に先駆けた新しいサービスの展開に力を入れてきた会社だと思っています。デマンドバスの運行やバスナビ、お客さまセンターの開設などもそうでしたし、2023年度は新型のバス停留所インフォメーションサービス『B-Station』がお客さまの利便性を高める使いやすいサービスとして外部から評価されました。世の中の様々なことが変化する中でバスのサービスも今までの継続だけでは難しい。社長がおっしゃられていますが、バスの枠組みにとらわれない新しいモビリティのあり方を模索し、創造する挑戦が求められる時代なのかなと思っています。

当社は自社の成長だけでなく、革新的な取り組みによってバス業界全体を活性化するだけの力を持っていると思います。私が運転士として目指しているのは、日本全国どこでもバスを運転できるだけの技術と知識を身につけることです。後進に技術を指導したり、採用のお手伝いをしたり、その経験を生かして新しい事業をサポートする機会があれば積極的に参加したいと考えています。
私はまだまだ運転技術の向上を目指します。自分の営業所の路線はすべて経験したので、高速バスや貸切バスの乗務に挑戦したいですね。バスの車両が徐々にオートマティックに代わり、クラッチのつなぎ方など職人的な技を発揮する機会が減ったのは少し寂しく思いますが、これからは車両の駆動系そのものが異なるバスも続々導入されていくでしょう。操縦も変わっていくかもしれません。当社はすでにEVや水素を燃料とした最先端の車両が導入されていますが、それらの新しいバスの乗務にも大いに興味があります。技術の進歩に対応しながら自分自身も進化したいですね。
バスを取り巻く技術がどんどん進歩していくと整備士として技術に追いつくためにますます勉強が必要です。マニュアルからオートマティックという変化も大きなものでしたが、EVバスや燃料電池バス(水素バス)になるとメカニックの根本が変わってきます。自動運転技術もそうですが、技術開発の進化には終わりがないです。われわれ整備現場の業務にも必ず影響してきますから常にマークしていく必要があります。新人や後輩に教えられるだけの知識を学んでおかなければいけません。頑張っていきます。


私は入社してからこれまで現場業務を経験してきたので次のキャリアステップとしては、本社でまったく新しい仕事の開拓と推進に携わってみたいです。すぐは難しくても、いずれは挑戦したいですね。先ほど少し話しましたがバスの枠組みにこだわらない分野の開拓に興味があります。統合を機に新たなビジネスを創出しようという機運も高まっていくのではないでしょうか。きめ細かなモビリティサービスの導入、他のグループ会社や異業種とのコラボレーションなど地域の皆さまにバスの輸送だけではない新しいサービスを提案できたら嬉しいですね。
会社と自らの未来を重ねて、さらなる成長を目指す皆さんの想いに大いに触発されました。自身、次の目標に向けて挑戦していきたい気持ちを新たにしました。今の東急バスがあるのは、ずっと上の世代の先輩方が基礎から築き上げ、受け継ぎ、拡張しながら地域のお客さまの信頼を確かなものにしてきたからです。不断の努力の結晶です。われわれ次の世代がその信頼を携えて、新しい未来の東急バスのカタチをつくっていかなければならない。全員一丸、ワンチームで前進していきましょう。今日はありがとうございました。
