虎ノ門のオフィスビル街にある「愛宕山下」停留所は、その名のとおり「愛宕山」の下にあります。都心に山とは意外ですが、愛宕山は標高26m、23区内で最も高い自然の山です。木々がしげる山頂には「愛宕神社」が鎮座し、周囲の喧騒を忘れさせてくれます。
「愛宕」の地名の由来はこの神社からで、「愛宕」は火伏せ(防火、鎮火)の神様です。江戸時代中期より、京都の愛宕神社を発祥とした愛宕信仰が全国に広まったことから、現在でも「愛宕」の地名は全国各地にみることができます。
東京の「愛宕神社」は、1603年(慶長8年)、江戸幕府が開かれたとき、江戸の防火を願った徳川家康によって、江戸で一番高いこの山に創建されました。
家康の守り本尊を祭ったことから、「開運」「勝ち運」の神としても知られ、多くの人々の信仰を集めてきました。江戸時代には、山頂から東京湾や房総半島まで見渡すことができ、古くから信仰と見晴らしの名所としてもにぎわってきたそうです。