東急バス 30周年記念誌 更新版
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17 東急バス創立から20周年を記念して、2011年度に導入された5種類の「記念塗装車」。路線運用開始に先立った2011年9月8日には、新羽営業所にて社員向け・報道機関向けのお披露目会が行われた。一般路線バス先代カラー(青葉台・弦巻・瀬田営業所に導入)観光バス初代カラー(目黒・下馬営業所に導入)観光バス第2代カラー(池上・新羽・東山田営業所に導入)観光バス現行カラー(虹が丘・高津営業所に導入)都市間高速バスカラー(新羽営業所に導入) 戦後の路線バスの標準は、銀色に赤帯、フェンダーを黒色とし、側面には大きな「T.K.K.」のロゴを表示していた。1950年ころから、側面は車体裾部に水色を波型に塗装し、赤帯の上下に黄色の細線を加え、前面は中央で赤帯を下方に落とし込み、裾部の水色の立ち上げ部と接するカラフルなデザインとなり、その後、1956年ころには裾部の水色の波型を直線的な鋸刃状に改め、1969年ころまで使用された。1968年10月から裾部水色と黄色を廃止、現行一般路線バスの原形となるスタイルとなった。 1953年の貸切バス事業開始に際して、アイボリーにライトグリーンの落ち着いた色調の塗色が採用された。側面は東急の頭文字である「T」を大きく図案化したアクセントが入っているのが特徴。また、前面の明かり取りや側面上部には「東急観光」の文字が入っており、1960年代以降は「東京急行」に変更され、長らく親しまれた。 観光バス事業開始後1960年代にかけ、技術の進歩により、エアサスペンションによる乗り心地向上、冷房の導入など、急速に車両がグレードアップしていった。 1967年に採用されたのが金色を中心に赤帯を付け、窓周り、屋根、側面下部をホワイトグレーとした塗色で「ゴールデン・デラックス・バス」と呼ばれた。当初は冷房・リクライニングシート付きのデラックス・バス専用の塗色という位置付けであったが、その後観光バス全車がこの塗色となった。1992年まで観光バスに使用された後、一部は深夜急行バスに転用され、1994年ごろまで使用された。 1985年、本格的なサロンバス「S.S.Mercury109」「S.S.Saloon109」の導入にあたり採用されたのが、アイボリーを中心に、青・赤・橙のラインを施した塗色である。当初Mercuryシリーズだけに使用されていたが、1992年までに全車がこの塗色に統一された。その後、観光バス事業が東急トランセに移管されてからもこの塗装は引き継がれ、現在も活躍している。 1988年、都市間高速バス「ミルキーウェイ」の運行開始に際して採用された塗色で、夜間高速にふさわしい青色を基調とし、大変好評を博した。 都市間高速バスは、和歌山・出雲・酒田・姫路線と4路線を運行していたが、1998年までに全路線撤退し、この塗色も見られなくなった。それと入れ替わる形で運行開始した空港リムジンバスの車両は、青系を赤系とし、細部は一部変更しているものの、デザインのベースを継承している。東急バス創立20周年記念 復刻塗装車の導入

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