東急バス 30周年記念誌 更新版
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13沿革 1947(昭和22)年6月25日、東京都交通局と民営バス4社(東京急行電鉄・東都乗合自動車(現.国際興業)・東武鉄道・京成電鉄)との7路線で相互乗り入れを開始。東京都交通局と民営バスとの相互乗り入れ路線は、通勤・通学の交通難に悩む多くの都民に受け入れられて年々増加し、1951(昭和26)年には9社29路線まで拡大していた。 東京急行電鉄では、駒沢~築地、洗足~東京、都立高校~東京の3路線をいち早く開設。その後も新設を進め、東京駅と池上駅、幡ヶ谷駅、久が原駅、等々力駅、自由が丘駅を結ぶ路線を開業した後、1956(昭和31)年には野沢龍雲寺~新宿駅西口が開業し、合計11路線を運行した。 1963(昭和38)年ころから、自動車の急増で道路混雑が激しくなり、比較的距離が長い路線は定時運行の確保が難しくなってきた。さらに都心の地下鉄網が整備され、郊外を結ぶ私鉄との相互直通運転が開始されると、都心乗り入れ路線の利用者が低迷していった。このような交通事情の変化により相互乗り入れ路線は昭和40年代半ばから順次山手線を境に分断、または廃止の措置がとられていき、昭和50年以降、東京急行電鉄の路線は東京駅と等々力駅を結ぶ自由ヶ丘線が唯一となった。  その後、時代は平成になり、自由ヶ丘線のみが民営バスの都心乗り入れ路線として運行を続けていたが、2013年3月31日をもって、共同運行を行っていた東京都交通局が当路線の運行から撤退し、翌日より当社単独で運行している。定時運行の確保や利便性の向上を目的とした取り組み  警視庁交通部、第三方面交通機動隊、沿線管轄警察署の協力、支援のもと、平日朝ラッシュ時間帯におけるバス専用レーンやPTPS(Public.Transportation.Priority.Systems:公共車両優先システム)を目黒通りに導入、運用し、定時運行を確保するため現在も継続して取り組んでいる。東京駅南口バス停に停車中の自由ヶ丘線(写真提供:飯島智昭氏)2017年3月1日 東京駅丸の内南口交通広場の整備完了に伴い「東京駅南口」停留所を、新設された交通広場内へ移設。2016年10月1日 等々力操車所方向の目黒駅前停留所を東京駅南口寄りに移設し、停留所名を目黒駅東口に改称(東京駅南口方向は変更なし)。2020年4月1日 燃料電池バス(FCバス)を目黒営業所に導入。自由ヶ丘線沿線の芝公園に岩谷産業(株)の運営の「イワタニ水素ステーション芝公園」があるため、東京駅南口からの入庫時に水素充填できることから、主に自由ヶ丘線で運行している(平日のみ朝から日中の運行)。在籍車両数の推移2013年3月31日時点 (都営バスとの共同運行最終日) 9両2013年4月1日時点 (東急バス単独運行開始日) 17両+8両 運賃および定期券 都営バスと共同運行時代の東急バスの運賃は、当時、山手線内(東京駅南口~目黒駅)が200円、目黒駅~等々力操車所、目黒駅をまたいで乗車する場合は210円であった。 2013年3月31日まで共同運行していた都営バスの運賃は当時、全線で200円だったことから、目黒駅~等々力操車所では同一系統ながらも都営バスと10円の運賃差があった。そのため、当社他系統と競合する区間では、停留所に到着した当社のバスを見送り、一本後の都営バスに乗車されるお客さまも見受けられた。 目黒駅を境に異なっていた運賃は、当社単独運行後も変わらなかったが、お客さまにとっても分かりにくかったため、2014年12月1日から全線220円(ICカード216円)均一に変更した。また同時に、東京駅南口~目黒駅のみで利用できた区間定期券(210円区間)を廃止した。一方、目黒駅近距離定期券が目黒駅~白金高輪駅でも使えるようになった。(近距離定期券は2018年3月16日をもって発売終了)COLUMN 自由ヶ丘線の歴史 相互乗り入れの開始から2013年の当社単独運行まで

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