東急バス 20周年記念誌
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その立地から,SBS入居企業の出張手配を主な業務とし,JR券・国内航空券の販売が多かったが,近隣に競合がないことから,国内・海外旅行の販売に力を入れ,年間取扱高約4億円を記録した。またバス共通カード・定期券の販売や,営業所職場旅行の手配も実施した。その後,ビル所有者の事情で退去することとなり,やむを得ず2007年9月に閉店した。 1997年9月,武蔵小杉駅バスターミナル前に所在した東急電鉄テコプラザの移転後,バス案内所機能の維持と旅行業拡大を目論み2号店を開店したが,競合が多かったため,2001年2月に旅行業を終了,運輸事業に移管の上,現在の武蔵小杉案内所となった。●ハウスクリーニング﹁モーリーメイド﹂ 東急沿線のご家庭に,新たな生活習慣を提案し,より豊かさを深めていただくことを目的として展開したのがハウスクリーニング事業である。主婦中心の女性スタッフによる家庭のお掃除代行を中心に,エアコン清掃,集合住宅の空室清掃などを請け負った。 カナダのハウスクリーニング企業﹁モーリーメイド﹂の日本国内本部から,青葉区・宮前区など横浜・川崎市内の東急沿線7区における営業権をFC契約により取得し,1998年3月16日に﹁モーリーメイド横浜青葉・川崎宮前﹂の名称で,宮前区宮前平・青葉区美しが丘の2拠点にて営業を開始した。当初は認知度も皆無で,お客さまの獲得に大変苦労したが,バス車内や駅における交通広告,地道なチラシ配布などを重ね,口コミも手伝い,徐々に売上げが拡大した。 2000年10月,上記の2拠点をたまプラーザ駅南口近く(青葉区新石川)に移転統合し,人員効率などを向上させた。2007年3月には世田谷区の玉川・砧・成城地区にも﹁モーリーメイド二子玉川﹂として進出,事業を拡大した。 最盛期には年間約5,000万円を売上げ,全国のFC店舗でも上位の業績であった。 なお,生活関連事業の運営に関しては,当社100%出資の子会社﹁東急リビングサービス㈱﹂(1998年4月17日設立)に業務委託されていた。 2000年代後半まで順調に伸長してきた各事業であったが,2007年11月,グループ内重複事業の一元管理による最適化を図ることとなり,外食・流通事業を翌2008(平成20)年度より,東急バス傘下から移管する方針が決定した。 外食事業については,ふらんす亭(駒沢1店舗)を2008年4月に,満龍(綱島・恵比寿・横浜の3店舗)を同年7月に,㈱東急グルメフロントへ会社分割で移管した。残るプロント(神田1店舗)は東急沿線外であることなどからグループ内での移管を行わず,㈱プロントサービスへの業務委託を経て,2009(平成21)年4月,㈱プロントコーポレーションに店舗の営業を譲渡し,これをもって当社外食事業の営業を終了した。なお,運営会社﹁東急フードサービス㈱﹂は2008年10月に解散を決議,2009年3月に清算結了した。 流通事業は,当社子会社﹁東急コンビニエンスシステム㈱﹂を会社分割により東急電鉄傘下として﹁am/pm﹂10店舗,﹁TSUTAYA﹂3店舗の運営を2008年4月に移管し,当社による店舗運営を完了した。 生活関連事業については,いずれも事業規模が小さいこともあり,外食・流通の移管完了後も当社で継続運営してきた。しかし,大橋倉庫の収用後,移転しトランクルーム業の拠点としてきた荏原倉庫(営業所・社宅地下)が,同用地の高度利用計画の進捗に伴い閉鎖されることとなり,2010(平成22)年6月に事業を終了した。また同年3月には,健康食品販売からも撤退した。 ハウスクリーニング業﹁モーリーメイド﹂は,同業態の最適な運営方法を検討した結果,2010年4月,FC本部の関連企業﹁㈱モーリーメイドアメニティ﹂へ店舗・人員が移管された。なお,運営会社﹁東急リビングサービス㈱﹂は同年6月に解散を決議,9月に清算結了した。66旅行業の核となった﹁TBKトラベル用賀(SBS)店﹂.1997年から約10年間,地域のお客さまに親しまれた地道な営業努力が規模拡大につながったハウスクリーニング業﹁モーリーメイド﹂.女性スタッフがこの専用車でお客さま宅を訪問した外食事業の他社移管第1号となった﹁ふらんす亭﹂駒沢店.近隣の学生からも人気が高かった店である4. 事業の移管と撤退~グループ事業最適化の中で

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