東急バス 20周年記念誌
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2001~2011年の動き東日本大震災への対応●3月11日(金) 14時46分,地震発生。当社お客さま・従業員・車両への被害なし。第1種(A)警戒体制発令。JRをはじめ首都圏の鉄道はすべて安全確認のため運転見合わせ(東急電鉄は22時30分運転再開)。その影響でお客さまがバスに集中し,渋谷駅をはじめとした各ターミナルが激しく混雑した。東横線・田園都市線の終夜運行に合わせ,バスの終夜運行・終車の繰り下げも含め対応し,最終入庫は朝4時30分となった。 都内の路線では大幅な遅延が発生し,空港線を含む一部路線は運休を余儀なくされた。渋谷案内所では23時30分まで,お客さまセンターでは深夜2時まで営業時間を延長した。●3月12日(土) 朝7時,警戒体制を第1種(B)に変更。9時に第2種警戒に。14時15分に警戒体制解除。この日以降3月16日まで,一般路線は通常ダイヤで運行(深夜バスを除く)。軽油配送が滞り予定の半分も納入できなかった。●3月14日(月) 前日に発表された東京電力の計画停電予定により,東急電鉄をはじめとした鉄道各社の運行体制が大きく変更となり,運行や従業員の出勤に影響が出た。これを受け朝9時,特別警戒体制が発令され,本社内に﹁事故災害対策本部﹂が設置された。 この日以降,深夜バス・深夜急行バスが全便運休(3月29日運行再開)。 軽油流通の混乱のため,確保できた業者から優先度の高い営業所順に配送実施。●3月15日(火) 震災以降,首都圏においても各物品の流通状況が混乱する。軽油についても,供給が滞るようになる。そのため,燃料節約のための経済運転に努めるよう通知を出した。各営業所の軽油使用シミュレーションにより,16日の新羽で軽油不足が予想されるため,16日朝に営業所間での在庫調整を実施した。 2011(平成23)年3月11日14時46分ごろ,三陸沖を震源とする震度7,マグニチュード9.0という国内観測史上最大となる東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が発生し,東北・関東地方を中心とした国内各地に大きな被害をもたらした。 関東でも震度5強(都内・横浜・川崎の各一部地域の例)の揺れを約6分間観測し,首都圏の鉄道がすべての路線で長時間にわたり運転を見合わせた結果,お客さまがバスに集中した。一方で高速道路も通行止めとなり一般道路の混雑が激しく,帰宅する歩行者が車道を歩いたこともあり,当社バスもダイヤが大きく乱れるなどの影響を受けたが,政府からの帰宅困難者対策の指示もありバスは運行を継続,幸いなことにお客さまや従業員への大きな被害は見られなかった。 また,震災により発生した石油コンビナート火災や製油所の稼働停止,流通マヒなどにより軽油の供給状況が逼迫し,3月中旬から下旬にかけ,一部路線の運休も含めた全社的な減便運行を余儀なくされた。62東日本大震災による岩手県釜石市内の惨状(2011年7月,写真:ぽると出版)2011年3月11日20時30分頃,地震で鉄道運休の中,徒歩で自宅を目指す通勤者.玉川通り・池尻大橋駅付近3月11日23時頃の本社4階.余震の続く緊迫した空気の中,運行確保の対策が進められた1. 地震発生からの主な動き

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