東急バス 20周年記念誌
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停留所清掃作業の様子。厳しい環境の中での作業である。渋谷駅で2001~2011年の動き工場員再雇用の諸施策 レンタルスーツケース業は,東急電鉄自動車部時代の1987(昭和62)年10月から車両課内の1部門で担当していた。スーツケースの修理は工場員経験者が実施し,業務主任,主任運転士経験者がテコプラザ等へ配送する分担であった。 1989(平成元)年2月にトランクルーム業が開始され,大橋営業所敷地の旧玉電変電所に移動式ラックを設置した。倉庫の立会管理はスーツケースの修理要員が兼務し,文書箱の受取・配送については東弘商事が担当した。その後配送も東急バス側で行うこととなり,スーツケース担当者や一部バス養成運転士が手伝ったこともあった。 停留所清掃業務は1998(平成10)年下期頃から車両課で企画・研究をしてきたが,1999年5月に開発課所属で大橋事務所に要員を配置し,実施に向けて作業方法などの勉強・研修の準備が進められた。作業要員には2000年3月の早期退職者7名ほどがあたった。 2001(平成13)年2月,大橋インターチェンジ関連工事のため,大橋事務所は荏原営業所に移転となり,スーツケース業とトランクルーム業を含む事務所全員が荏原に異動となった。控室は社宅の一部を借用した。スーツケース業とトランクルーム業は1階に事務所を置き,地下の旧東光ストア→旧国民銀行倉庫部分に作業所とスーツケース1,200個,書類箱1万5,000個収納の移動ラックを設置,移動はエレベーターを使用した。停留所清掃作業所は社宅側入口の横から階段で地下に降りた場所に設け,清掃やアクリル板カット作業は電気室倉庫部分を仕切って使用した。 その後,東急バスサポート設立と同時に停留所清掃部門が移転し,スーツケース業,トランクルーム業も東急リビングサービスに移行した。停留所清掃は荏原と東山田に分散され,東急バスサポート解散後は施設課の管理となった。2008(平成20)年にレンタルスーツケース業が廃止され,その後荏原営業所の建替え計画もあり,2010(平成22)年にトランクルーム業も廃止,2010年4月から停留所清掃も東山田だけとなった。 2010年4月のテクニカルセンター設立と同時に,﹁停留所清掃業務﹂についても整備部門の再雇用先として一体運営することになった。 テクニカルセンターへの移管後は東山田のみで実施していたが,2010年9月に要員補充されたことから,東京地区の停留所清掃業務は目黒テクニカルセンター内で再スタートを切った。そこで初の試みとして,目黒と東山田の停留所清掃チーム合同で同年9月3日(金),綱島駅バスターミナル通路の仕切り板清掃を実施した。9時30分に総勢5名で作業開始。3年前に実施して以来ということで,ホコリと排気ガスの汚れがひどく,洗剤入りのバケツの水がみるみる真っ黒となるほどの状態だった。15時には5つの乗り場すべての清掃作業が終了した。通路仕切り板が透明になりお客さま・歩行者の方はもとより,サービス・クルーからも好評であった。当日は屋根の下で,清掃に使用する水も確保できる環境だったが,通常の停留所清掃は炎天下や寒風の中で,水もポリタンクで持参しなければならないなど,条件が厳しい中で作業を実施している。 バス停留所はお客さまとの最初の接点であり,清掃業務は工場の再雇用の受け入れ先として工場員の技術を生かし,お客さまサービスの向上に寄与している。2010年度下期の整備実績は停留所定期清掃562基,臨時修理137基であった。54荏原営業所時代のトランクルーム業事務所(上)と,同じく停留所清掃のアクリル板カット作業所(下)現在テクニカルセンターが担当する﹁停留所清掃業務﹂における,停留所補修用のアクリル板カット作業1. レンタルスーツケース・トランクルーム開始2. 停留所清掃立ち上げと荏原への移転3. テクニカルセンターに移管

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