東急バス 20周年記念誌
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2001~2011年の動きテクニカルセンターの設立 2010(平成22)年4月1日の組織改正により,目黒営業所の建物2階に﹁テクニカルセンター﹂が開設された。 整備部門の定年後の再雇用先として東急グループ各社での受け入れが減っていく中,高齢者雇用義務年齢の引き上げもあり,再雇用希望者も多く嘱託での整備員としての割合が増えてきた。一方で,長い目で見るとある程度の新人定期採用も必要ということで,外注していた業務の一部を内製化をすることにより,再雇用先の確保と外注費用の削減を図るという一石二鳥的発想でのテクニカルセンター設立であった。 2010年4月から実施の整備部門省力化により,余力が生ずることを考慮したものでもあった。また工場・整備部門で新しい業務を実施することによる,組織の活性化も期待されていた。 2009(平成21)年11月に新築されたばかりの,目黒営業所2階の倉庫を改造し作業場とした。開設に先立つ2010年2月に配置された準備要員が,エア配管やブレーキバルブテスター機器(東京都交通局自動車工場に指導協力いただいた)や,特殊工具や工具掛けなどを手作りし,狭いながらもアイデア満載の効率的な職場が出来上がった。エアマスター試験機は外部からの借用品であるが,アタッチメントや配管などを開設当初に独自改造し運用している。同年10月には東山田工場2階にも作業場を設けた。そこでは,オルタネーター(発電機)の整備を予定していたため性能試験が必須であることから,東急自動車整備専門学校からの譲り受けたオルタネーターテスターを,車両課員が分解調整し発電性能試験ができるようにした。 2011(平成23)年1月末に東山田財務倉庫内の遺失物仮置倉庫が各営業所に移管されたため,そこを拡張して停留所清掃業務のアクリル板カット作業場として広げることができた。 従来からセルモーター,クラッチブースターなどの整備は各工場で空いている時間に細々と実施していたが,専門のテスターがあるわけでなく,寿命が短いものも見受けられた。そこで,センター所属整備員は外注業者に何度も足を運び,整備ポイントの教示を受けた。特にオルタネーター(発電機)分解は初めての作業であった。教わった後に実際に廃車から外したオルタネーターを分解し,組み立ててテスターにかけたものの発電せず,再度外注業者に教えていただくといった苦労も重ねたが,無事習得することができた。快く教えていただいた業者には感謝するところである。 整備した補機部品類は当社内での使用ではあるが,整備済の商品として出すわけなので管理番号,型式,検査日,検査実施者印の荷札を付け,各テスターの数値管理も行い,責任を持って仕事を実施している。 2010年下期実績では,目黒・東山田合わせてセルモーター440個,ブレーキバルブ174個,エアマスター237個,クラッチブースター205個,オルタネーター21個の補機部品の整備と,車体のガラスうろこ状皮膜磨き27両を実施し,計画を上回る成果が出ている。また旧東急バスサポートから移管し営業部施設課で運営していた﹁停留所清掃業務﹂についても,整備部門の再雇用先として一体運営することになった。53目黒営業所内のテクニカルセンター設立時のスタッフ(上)と作業の様子(下).エアマスター試験機なども備える東山田工場内のテクニカルセンター(上)と,オルタネーター試験作業の様子(下)1. 設立の目的2. 作業室と設備3. 整備員教育4. 整備作業実績

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