東急バス 20周年記念誌
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自動調整機構(オートアジャスタ)の標準装備,③駐車ブレーキの性能向上である。特に③についてはそれまでの駐車ブレーキ機構であるセンターブレーキ式(トランスミッションの後に取り付けられた小型のブレーキドラムひとつで後輪を止める方式)から,スプリングでホイールシリンダ内にあるくさびを作動させて車輪そのものをロックするホイールパーク式に大きく構造が変わった。運転席周りも多少力の必要なサイドブレーキレバーから小型のハンドコントロールレバーになり,誰でも確実に駐車ブレーキが掛けられるようになった。また②については工場で行っていたブレーキ調整が不要となったが,ホイールパーク用のダイヤフラム交換,ホイールシリンダーピストンの組み付けやブレーキギャップの初期調整など,高度な技術が求められるようになった。 以下は,近年の新車での新しい車種や主な改善を示す。○2003(平成15)年◦CNGバスを下馬営業所に採用 環境に配慮した車両導入の一環として天然ガスを燃料とするバスを2両,下馬営業所へ導入,併せて簡易型の天然ガス充填機を構内に設置した。なお2011年8月現在は瀬田営業所所管宇奈根線にて活躍している。◦ナロー車14両初導入 車幅約230㎝,全長約1,050㎝の中型長尺車,総称﹁ナロー車﹂をこの年より導入(弦巻7両,瀬田4両,高津3両)。2008年まで継続的に導入し,主に都内の道路幅員が狭く相互通行が困難な路線で活躍している。○2005(平成17)年  ◦ハイブリッドノンステップバス導入 発進・加速および登坂などの大きな力が必要なときにモーターで駆動力をアシスト,また減速や制動時にモーターを発電機として回生エネルギーをバッテリー(リチウム電池)に充電させるハイブリッドユニットを屋根上に設置することでノンステップ化を実現させた車両。新長期規制に対応させるためエンジン協調制御システムを搭載してNOx,PM,CO2を大幅に低減し,2004年度に東山田営業所に2両の導入以降,2011年度までに全所で16両を導入した。◦尿素SCRシステム車両,日本初導入 新長期排出ガス規制(当時,世界一厳しい規制)をクリアしたバスを日本のバス会社で当社がいち早く導入(新羽営業所に6両)。特に尿素水(通称アドブルー)を使用するタイプは,その後の規制であるポスト新長期規制においてバスメーカー3社すべてが採用することとなった。この尿素SCRシステム車両はエンジンルームの左側に尿素水タンクを搭載し,超高圧の燃料噴射で軽油を完全燃焼させてPMの発生を抑えた後に,尿素水を利用してNOxを無害な窒素と水に還元するシステムを搭載している。○2006(平成18)年 路線バスにUVカットガラス採用。         サイドアンダーミラー本格採用。○2007(平成19)年 ノンステップ車のスロープ板を着脱式とする。         終車灯スイッチにパイロットランプ(赤)設置。         三菱車のアクセルインターロックをエア式とする。○2008(平成20)年 ワンステップロング車の跳ね上げシートを1脚取り外し,多客対○2010(平成22)年 大型ノンステップ車の中ドア後部に1人掛けシート配列を採用。         路肩灯にLED式を採用。         中ドアブザーに音声付きチャイム式を採用。         運転席に荷物棚を取り付ける。         床材,バッテリーを標準仕様どおりとする。○2011(平成23)年 前ステップ灯と運賃照射灯の2灯化を実施。         右左折警報装置を設置,室内補助ミラーを増設。応とする。512003年に2両が採用されたCNGバス・三菱ふそうKK‐ME17DF改.全長7mの小型ノンステップバスで,現在は瀬田営業所に配置されている2003年から2008年まで3車種で採用された中型長尺ノンステップバス,通称﹁ナロー車﹂の一例,弦巻営業所に配置された日産ディーゼルPK‐JP360NAN2004年度から採用が続いているハイブリッドノンステップバスは現在16台まで増えた.目黒営業所所属の日野ACG‐HU8JLFP2005年に市販第1陣が新羽営業所に配置された尿素SCRシステム搭載の新長期排出ガス規制適合車,日産ディーゼルADG‐RA273KAN5. 近年の改善

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