東急バス 20周年記念誌
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 2007(平成19)年3月より,﹁電車も,バスも,パスモ﹂のキャッチフレーズでICカード﹁PASMO﹂のサービスが開始され,当社もPASMO設立メンバーとして取り扱いを開始した。 ﹁PASMO﹂は,2001(平成13)年にサービスを開始した東日本旅客鉄道のICカードスイカ﹁Suica﹂と相互利用が可能で,﹁PASMO﹂誕生を契機に1枚のICカードで,首都圏の電車とバスに乗車できるようになり,乗車券のシームレス化が図られた。またバス事業者独自のサービスとして,ICカードでのバス利用に応じて運賃が割引きになる﹁バス利用特典サービス﹂を提供し,通称﹁バス特﹂として好評を博している。 当社においても,2006(平成18)年から2008(平成20)年の間に全車両の運賃機にICカード機器を設置し,営業所にはカード販売端末など関連する機器を導入した。 また,2009(平成21)年には東急バス全線定期券・一日乗車券のIC化も行うとともに,東急電鉄と連携を図り,東急線駅自動券売機でも﹁東急バスIC定期券﹂が発売可能となり,他バス事業者に先駆けてサービス向上を実現している。 PASMOサービス開始当初は,その仕組みや機器の操作,利用客に対する案内など,知識習得に気苦労があったが,努力と経験の積み重ねの甲斐あり,現在では以前のバス共通カードに代わる,当社の主要な乗車券にまで成長した。 これに伴い,1994(平成6)年に池上営業所を皮切りに導入したバス共通カードについては,2010(平成22)年3月末をもって発売終了,同年7月をもって利用終了とした。 首都圏の主なバス事業者での共通利用ができ,最盛期にはお客さまの半数近くに利用されていたバス共通カードは,﹁鉄腕アトム﹂シリーズの東急バスオリジナルカードなど,販売促進活動の一環として発売し,展開を図ってきた。しかしながら,﹁PASMO﹂の普及により利用率が低下し,今後の対応機器メンテナンス・更新の費用などの問題もあったため,16年間の歴史に終止符を打った。 空港線を管轄する新羽営業所に2008年,高速バス情報取得を用途として,点呼執行所上部に52インチの大型モニターを設置した。4分割画面で交通情報やバス位置情報など複数の情報を一目できるようになった。﹁情報が見やすく,より迅速かつ適切な運行指示ができるようになった﹂と好評であり,安全運行の舞台裏として,お客さまサービスの向上に寄与している。 これまでも当社ホームページ(HP)では貸切バスの案内を行ってきたが,更なる販路の開拓のため,インターネットを活用した企画提案型のセールスを行う貸切バスWEBサイト﹁バスカバリー﹂を2010年3月に開設した。○WEBサイトの概要(1)貸切バス,用途外それぞれに多くのモデルプランを提案。(2)インターネットからの貸切バス申し込みを可能にした。(3)貸切バス乗務員の紹介ページを設けた。 アクセス数は,週2万件余りで推移している。またバスカバリーからの貸切バス申し込みは当初月数件程度であったが,徐々に増加傾向にある。当社沿線外からの受注も増加した。2011年6月には一部リニューアルを行い,面目を一新した。〈新型運賃機の導入〉2005年10月より,新型運賃機を川崎営業所で試行導入の後,神奈川地区で代替していった。即時計数機能付き硬貨一括投入方式で,運賃情報を音声合成放送装置から自動的に出力するので,川崎・横浜の跨ぎ区間などにも対応できる。ICカード(PASMO)対応機器であり,ICカードユニットを2008年4月から後付け工事した。2006年9月,淡島営業所から始めた都内地区での代替は,ICカードユニット付きで導入した。43上:2007年3月に運用開始したICカード﹁PASMO﹂下:﹁PASMO﹂の普及により,バス共通カードは2010年3月末を持って発売を終えた(東急バスオリジナル﹃鉄腕アトム﹄バスカードの例)新羽営業所に設置された52インチ大型モニター.交通情報やバス位置情報などが一目で把握できる4. P5. 新羽営業所に大型モニター設置6. 〈バスカバリー〉貸切バスWEBサイトの開設ASMO導入,バス共通カード廃止へパスモ

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