東急バス 20周年記念誌
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 ここでは17ページで記した運輸安全マネジメントを踏まえて導入された,各種安全対策を紹介する。 2008(平成20)年4月,路線バスに各種センサーを備え,運転者の操作方法や目線など何気ない癖や動きを映像,数値,グラフで分析することができる﹁安全運転訓練車﹂を導入した。新人教育のほか現役の乗務員にも3年ごとの定期研修などで活用,2011(平成23)年度からは社内で一定基準以上の事故を惹起した乗務員に対しても講習で活用するなど,これまでの﹁感覚﹂に頼っていた教習から﹁統一された基準で分かりやすい﹂教習に変更し,運転者の理解度を高めることで社内の安全風土の確立に大きく貢献している。 2008年7月から以下の対策を実施している。①左右アンダーミラーのワイド化(140㎜から190㎜):運転席からの車両前方直近の視野を拡大。②運転席の高さを確保するため座席下にボルトを設置:アイポイントを高くして運転視野を拡大。③室内リヤガラスに広角レンズの取り付け:車両後退時の視野拡大などの対策を各工場で2009(平成21)年1月までに全車完了,事故防止に大きく貢献している。 2009年7月より,東京バス協会が開発に協力した,バス安全走行支援システム﹁ヘリマス﹂を導入した。人や物体が接近すると超音波センサーによって検知し,その反応を運転者に警報で知らせるシステムであり,発進時における重大事故を防止するハード対策の代表格として各営業所4台ずつ,合計112台に設置した。2011(平成23)年度中には各所10台ずつに増設し,合計172台とする予定である。 2008年6月に被追突事故対策として,全車両のリヤバンパーに蛍光反射テープを取り付けた。これは2007(平成19)年度の事故件数のうち,16%が後部および右後部への被追突事故であり,蛍光反射テープはその対策のひとつであるが,追突防止に効果を上げている。382212001~2011年の動き事故防止の取り組み上:安全運転訓練車の車内と指導の様子.指導員は運転者とともに運転方法のデータ確認を行い,より安全な運転のための分析・指導を行う.下:目の動きを情報収集するアイマークを装着して訓練を行う運転者リヤバンパーに追突防止反射テープ(1)を,リヤウィンドーに視野拡大のための広角レンズ(2)を取り付けた路線車バス安全走行支援システム﹁ヘリマス﹂.車体に人や物体が接近すると警報で知らせるシステムである.左は車体に取り付けられた接近を検知する超音波センサー(矢印),右は運転席の表示パネル1. 安全運転訓練車の導入2. 保有車両の改良による視認性向上対策3. ヘリマスの導入4. 追突事故防止反射テープの取り付け

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