東急バス 20周年記念誌
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●2009~2010年度路線再編成 当社の不採算路線の輸送力調整を中心とし,特に神奈川地区は,引き続き旅客転移の影響を受けているグリーンライン関連路線の見直しを含めた内容で,2か年で50両規模を削減する路線再編成を計画した。結果,都内27路線,神奈川18路線,合計45路線を対象に,2009年6月1日~2011(平成23)年3月1日にかけて実施し,51両を減車した。 このうちNHK線(渋谷駅~NHKスタジオパーク間)は2010(平成22)年4月1日に京王バス東㈱へ譲渡し,神奈川地区においては,市が尾線(長津田駅~柿生駅前間),宮前線(宮前平駅・宮前区役所前~野川台間),その他出入庫系統について神奈川県生活交通確保対策地域協議会で協議を行い,市が尾線は2010年3月31日をもって廃止,宮前線は5月1日より減車・減回の改正を実施,一部の出入庫系統については4月30日をもって廃止した。●川崎営業所の統廃合 上記の路線再編成に加え,管理コストの削減や運営の効率化を主な目的として,営業所の統廃合を実施し更なる収支改善に取り組むこととし,その中で建築後40年余りが経過し老朽化していることや,前面道路の拡幅工事が予定され車庫収容能力が今後減少し非効率化することが想定される川崎営業所がその対象となった。 路線移管については,2009年3月に竣工した虹が丘営業所隣地と上記路線再編成により余剰となった車庫スペースを活用したもので,2010年5月1日より順次玉突きで路線移管,もしくは移管と同時に東急トランセへ委託しながら進められていった。 そして2010年9月30日,川崎線を高津営業所へ移管・委託,鷺沼線の東山田営業所への移管を最後として川崎営業所は70年の歴史に終止符を打つこととなった。 同営業所は1940(昭和15)年6月に小杉営業所として開設され,後に川崎営業所に改称し,一時期は神奈川県内の当社バス路線全線を所管したこともある神奈川県内の中心営業所であった。その後,日吉営業所(1993平成5年廃止),高津営業所の開設が進み,武蔵小杉・溝の口・川崎駅などを起終点とした所管路線体制となっていた。●管理部門における生産性向上・コスト削減施策への取り組み 路線再編成によるコスト削減の一方で,本社等管理部門の生産性向上に向けた取り組みが喫緊の課題となり,2009年度初頭から調達コスト削減プロジェクトを開始した。これは外部コンサルタントのノウハウを得て,論理的な価格見直し交渉とそれ自体の必要性の見直し等を行い,諸費用を軽減した。 また,業務・組織改革プロジェクトも並行して着手し,必要性の面から集約・中止・縮小等の判断をベースに,業務の必要性や仕事の仕方,人員配置などの見直しを行った。具体的には,事務員・工場員の要員削減,案内所の営業時間見直し,営業所受電業務のお客さまセンターへの集約,テクニカルセンターの新設(外注業務の一部内製化)などを実施した。31かつては神奈川県内を代表する営業所であった川崎営業所は2010年9月30日をもって廃止,路線は高津営業所や東山田営業所に移管された.右下は最終日,全便運行後の記念撮影地下鉄グリーンライン開業に伴う減収は他路線の再編成にも及んだ.上は共同運行していた京王バス東に譲渡されたNHK線(2000年3月18日の運行開始当日),下は減回された宮前線

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