東急バス 20周年記念誌
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2001~2011年の動き路線再編成の推移 この10年間で当社の沿線環境,運行環境にいくつかの大きな変化が生じ,それに伴う対策が進められた。それぞれを紹介する。 港北ニュータウン地区は,2008(平成20)年3月30日の横浜市営地下鉄4号線グリーンライン(日吉~中山間)開業を視野に住宅造成などが急ピッチで進んだが,開業前は当社バス路線が唯一の交通手段だった地区も多く,特に日吉駅・綱島駅・センター北駅・センター南駅をアクセスする路線は軒並み大規模黒字路線となっていた。 しかしながら,グリーンライン開業後は当社バス路線から地下鉄への大幅転移も予想されたことから,パシフィックコンサルタンツ㈱の協力を得て,開業後の需要予測,各停留所別の利用動向から見た転移予測を行い,路線再編成の計画を作成していった。●第1次再編成~不採算路線の整理による効率化 運行頻度の高い路線は極端な輸送力低下による2次減収を引き起こす可能性が高いため,不採算路線の整理と効率化を軸とした内容とし,綱島線(綱島駅~中山駅北口間)など9系統を廃止,高田線(日吉駅東口~高田駅間)など3系統を新設,一部路線ではグリーンライン駅に完成した交通広場に乗り入れる経路変更を実施した。●第2次・第3次再編成~影響路線の減車・減回による効率化 その後,グリーンラインへの転移が想定以上に大きかった3路線(綱島・高田・北山田線)はコスト削減が急務となったため,大幅な減回により合計11両の減車,13系統を廃止といった再編を計画より前倒しし,2008(平成20)年11月1日に実施した。 綱島線は主な需要エリアでの旅客逸走に拍車がかかり,開業前から比較すると9両減車となり,北山田線は2004(平成16)年8月より実施してきた内回り・外回り形式の循環運行を廃止せざるを得ない状況となった。 その後,残る影響3路線(新城・すみれが丘・市が尾中山線)についても,合計3両の減車,1系統を廃止した再編を2009(平成21)年2~4月でそれぞれ実施した。 2008年度に入り,上記グリーンライン開業の影響が想定以上となり,加えてガソリン税暫定税率の混乱に原油・軽油価格の高騰が重なったため,2009年度以降の対策として次の収支改善計画に取り組んだ。30横浜市営地下鉄グリーンライン開業に伴う2008年3月の路線再編成を告知するチラシの表紙.9系統廃止・3路線新設などが盛り込まれた右下:最初の路線再編成以後,グリーンラインへの乗客転移が著しく,2008年11月に第2次路線再編が行われた.再編を告知するチラシ(部分)下:新規開業したグリーンライン北山田駅に停車するすみれが丘線.同路線も乗客転移により減回した1. 横浜市営地下鉄4号線の開業による路線再編成2. 収支改善計画の実施

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