東急バス 20周年記念誌
29/98

旧溝の口折返所跡地に建設されたデザイナーズマンション﹁WELLTOWER﹂。一階から七階まで続くらせん階段(右)が特徴 2001~2011年の動き不動産賃貸事業の展開 旧溝の口折返所が所在した川崎高津区久本の社有地については,1998(平成10)年に駅前のバスターミナルが供用開始され,折返所が廃止された後,一時使用賃貸をしていた。溝の口駅から徒歩数分,再開発ビル﹁ノクティ﹂から至近の繁華な地のため,商業利用を含めた検討を行ったが,市場性などから賃貸住宅主体の建物とするのが最適と判断,隣地を生命保険会社から取得し土地利用効率の向上を行うとともに,中長期にわたり収益性を確保する観点から,付加価値を高めるため,デザイン性に優れた設計とした。 2003(平成15)年新春の着工から15か月,2004(平成16)年3月にテナント7区画,住戸86戸のデザイナーズマンション﹁WELL TOWER﹂が竣工した。 内装は全室床がフローリング,内壁がコンクリート打ち放しとシックな印象で,天井高6mの吹き抜けのある部屋は,圧迫感のない,心休まる空間が広がっている。3~6階にある計16室は,ガラス製引戸の玄関があり,部屋中央にキッチンやクローゼットを設けたスタイルとしている。 また,建物の1階から7階の屋上庭園まで続くらせん階段は,グレーチングで構成され,下からの見上げはシンボルにふさわしい美しい空間を構成している。庭園には緑が茂り,ベンチのあるデッキを配置した共用スペースとなっている。 世田谷区若林所在の社有地﹁旧若林折返所﹂については長らく駐車場用地として賃貸していたが,土地の有効活用を図るべく﹁WELL TOWER﹂同様,デザイン性を高めた賃貸住宅を建設することとし,2008(平成20)年5月に全11戸のデザイナーズマンション﹁LIFT﹂が竣工した。 物件名の﹁LIFT﹂は,本物件の特徴である大型エレベータから由来している。エレベータを単なる上下動する箱ではなく,住む人それぞれが願うライフスタイルへの入口,大好きなモノを部屋へと自由に持ち上げてくれる“LIFT”として捉えている。 東急電鉄と連携した資産有効活用策の一環として,東京都品川区旗の台所在の土地建物(旧中延営業所,のちのTSUTAYA旗の台店)を売却し,2009(平成21)年7月に,すでに稼働している東京都渋谷区渋谷二丁目所在の﹁渋谷日永ビル﹂(鉄骨造地上8階建て)を東急電鉄と共同で取得した。 上記物件のほかに旧折返所,営業所一部を利用し土地活用を実施。主な建物賃貸事業としては,東京都下目黒所在の﹁東急不動前ビル﹂(旧不動前営業所跡地)のほか,旧駒沢折返所,新羽営業所敷地内,渋谷区神宮前,川崎市高津区,横浜市港北区で実施し,土地賃貸としては,青葉区榎が丘(駐車場),同あざみ野(自動車販売場),すみよし台(店舗)などで行っている。29旧若林折返所の跡地に建つデザイナーズマンション﹁LIFT﹂1. WELL TOWER2. LIFT3. 渋谷日永ビル4. その他

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る