東急バス 20周年記念誌
28/98

 老朽化した﹁オアシス荏原﹂の代替として,高津営業所敷地内に新社宅の建設が検討された。2009(平成21)年9月に高津工場の新築と乗用車立駐機が完成し,収容能力が広がった段階で,新社宅の建築工事を開始した。2010(平成22)年5月末に完成,6月2日に竣工式が行われ,順次入居が開始された。 この﹁オアシス高津﹂は鉄筋コンクリート造6階建てで,2LDKの住居60戸と集会室1室からなる建物である。分譲マンション並みの設備を持ち,周辺環境と省エネに配慮した屋上緑化や,生活の憩いの場であるウッドデッキなどを設けている。 また1階の107号室は,車椅子の方でも利用しやすい玄関や台所など,バリアフリー対応の住戸とし,様々な方の入居に備えている。 2010年6月をもって荏原営業所・社宅の旧建物の運用が終了となり,営業所機能は仮設建物に移転した。この旧建物は1960(昭和35)年に建築され,まる半世紀にわたり荏原営業所・社宅として活躍してきた。 1996(平成8)年には大規模なリニューアルを行ったが,全体の老朽化が進んだことから社宅機能の高津への移転と,営業所機能の建替えが行われることとなった。 なお,新しい荏原営業所建物は敷地内旧建物付近に,2011年9月末に完成した。 瀬田慎独寮は東急電鉄時代から長年にわたって若い従業員の生活を支え,多くの人々に親しまれてきたが,建築後43年が経過し,建物や設備の老朽化が目立ち始めていた。使用を続けるためには大規模な改修工事が必要となり,検討を重ねた結果,2007(平成19)年3月15日をもって廃止することとなった。その後は,新たに制定した借上寮制度で,同寮在寮者および新規の入寮希望者を受け入れている。●旧瀬田慎独寮 稲荷 魂抜き儀式 2007年12月10日午前11時より,旧瀬田慎独寮屋上にある稲荷において,役員並びに本社・営業所関係者などが参列して,豊川稲荷東京別院により厳かに魂抜き儀式が執り行われた。これは旧瀬田慎独寮の解体工事に先立って,長年にわたり安全を祈願してきた稲荷を撤去することとなり,魂を稲荷から抜き,豊川稲荷東京別院に戻っていただくための儀式である。 本稲荷は1956(昭和31)年3月に瀬田慎独寮が開設される以前より,瀬田営業所敷地の北西角地(当時の営業所事務所脇の環八通り側)に位置していたが,1963(昭和38)年に環八通りをはさんだ正面の女子寮が建替えられた際,営業所事務所も新築建物の1階に移転するとともに,車両留置スペースの拡大を図るために稲荷は同建物屋上に移設された。 また瀬田営業所開設時には,東急電鉄の故五島慶太会長より稲荷に石灯篭が奉納されており,今回の儀式により,お札・ご神体・狐は豊川稲荷に返納したが,石灯篭は五島美術館の庭園に移設された。282001~2011年の動き社宅・寮の移り変わり2010年6月に竣工したオアシス高津.戸数は60でバリアフリー対応の住戸も備える1960年から2010年まで半世紀にわたり運用された旧荏原営業所・社宅(竣工当時)旧瀬田慎独寮の屋上にあった稲荷.下は例年行われていた初午祭の様子1. オアシス高津の建築2. 荏原社宅の運用終了3. 瀬田慎独寮の運用終了

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る